リビングでは暖房を使っても、寝室は冷えたままという人は意外に多いようです。しかし、快眠できる室温を保つには暖房を利用したほうがよいでしょう。
冬に寝床で電気毛布や電気アンカを使っている人は、使い方に注意が必要です。寝入るときはポカポカしてい気持ちいいと感じても、一晩中つけっぱなしにしていると、深部体温がうまく下がらず睡眠の質が悪くなる恐れがあります。「こたつで眠くなってうっかり寝入ってしまって、起きたら身体がだるかった」という経験はないでしょうか?身体を温めるのは寝つきやすくするのに有効ですが、睡眠中に体を暖め続けるのは好ましくないのです。
電気毛布や電気アンカは、寝入る前にスイッチを切るか、タイマー付きのものを使って就寝後1時間程度で切れるようにしてください。あるいは、自然に温度が下がっていく湯たんぽを使うといいでしょう。
広島国際大学健康科学部心理学科教授 田中秀樹
山口県生まれ。広島大学大学院修了。博士。専門は睡眠学,精神生理学。睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士養成に従事。地域, 学校等で睡眠改善技術を指導。NHK『ガッテン」、「クローズアップ現代」「きょうの健康」等に出演。近著「ストレスチェック時代の睡眠・生活リズム改善実践マニュアル」(全日本病院出版会)等がある。