壁のスイッチを切る音でも睡眠は浅くなる

睡眠の質をよくするには、静かな環境であることも重要です。40デシベル(ささやき声程度)~50デシベル(小さな声)以上の音は眠りを妨げるといわれており、睡眠中は寝室の壁のスイッチを切り替える程度の音でも睡眠は浅くなるのです。

このため、就寝時にテレビをつけたままにしたり、音楽を流しっぱなしにするのはお勧めできません。静かすぎると寝付けない人は、タイマーを使って寝入る頃には切れるようにセットしておいたほうがいいでしょう。

また、雨音などの連続した音より、ドアをバタンと閉じるときなどに生じる突発的な音は眠りに影響しやすく、眠りが浅いと目が覚めるきっかけにもなります。同居人がいて睡眠に悩んでいるケースなどでは、寝室をトイレから遠い部屋にする、足音がひびきにくいスリッパを使うといった工夫も必要です。

広島国際大学健康科学部心理学科教授  田中秀樹

山口県生まれ。広島大学大学院修了。博士。専門は睡眠学,精神生理学。睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士養成に従事。地域, 学校等で睡眠改善技術を指導。NHK『ガッテン」、「クローズアップ現代」「きょうの健康」等に出演。近著「ストレスチェック時代の睡眠・生活リズム改善実践マニュアル」(全日本病院出版会)等がある。